目次
- 今、なぜ「健康」なのか?
- 「チーム・バチスタ」のモデルに
- 日本初の「バチスタ手術」
- 今すぐ企業が取り組むべきこと
- 健診や人間ドックの落とし穴
- もしもの時のために
- 経営者、人事担当者の方へ
- 命を救うこと、世界を救うこと
6. もしもの時のために
hiro
とは言え、何か悪いなっていうのが見つかった時に、どのお医者さんに診てもらうかって重要なファクターだと思うんです。一方で、普通の人が何かあったとしても、この人にっていうドクターではなく、目の前にいるドクターの腕前や忙しさ次第でその人の寿命が変わってくるかもしれないわけですよね。先生は敢えて医師会とかそういうところに身を置かないでいらっしゃると聞いたことがあるんですが、先生のポリシーというか、考え方っていうのを一つお聞かせいただければと思うんですけれども、いかがですか?
須磨先生
本当、今おっしゃった通りで、健診センターや人間ドックのとても大切な仕事の一つは、病気が見つかった時に、特にやっぱり心臓とか脳とか癌とか命にかかわるような病気が見つかった時に、どこに送るかなんです。大学病院や大きな総合病院でもドックをやっていますけれども、何か見つかった場合は、もう確実に自分のところのそれぞれの科に送ります。しかし、全科揃ってナンバーワン、トップレベルの病院っていうのはないんです。
だから、それぞれの病気の今が旬の、一番腕利きの先生に紹介するっていうのが、うちみたいにフリーランスの役割です。僕もいろんなネットワークを持っているから、10年前はあの先生がいたからあの病院は天下一だよって言っても、その先生は今いません、代わった人は全然駄目ですって、そんな情報は外には流れないわけですからね。今これだったら誰が一番いいの?このエリアだったらどこ?って、そういうことをきちんと、健診する施設の側もリアルタイムに情報を掴んでおいて、the bestに送る、これはすごく大事なことだと思います。
hiro
本来ベストマッチ、或いは一番誠実なマッチングの仕方っていうのが存在するはずなのに、どうしてもそう上手くいかない。そんなことで企業のこれからを担う経営人材が戻ってこられなくなるっていうのは、なんとかならないのかと思うわけです。大学病院や医師会にはある種のポリティクスがたぶんある。それをやむを得ないと捉えるのか、それとももっとそこに対する責任に真摯に向き合うのか。健診を受ける側が単なる居心地の良さだけではなくて、あの先生の言うことだったら大丈夫って本当の意味で思えるような、健診と病院と治療が繋がっているような状態が望ましいんじゃないかなと思いましたが。
須磨先生
その通りだと思います。受ける側からしたら、何かあった時に、じゃあどこに行ったらいいんですか、そこときちんと話つけてくれるんですかと。ここおかしいからどこか受診してくださいって、そんなレポートはないわけで、ぜひ相談してください、いいところを紹介しますっていう、そこまでセットで良いドックだと思います。