目次
- 今、なぜ「健康」なのか?
- 「チーム・バチスタ」のモデルに
- 日本初の「バチスタ手術」
- 今すぐ企業が取り組むべきこと
- 健診や人間ドックの落とし穴
- もしもの時のために
- 経営者、人事担当者の方へ
- 命を救うこと、世界を救うこと
4. 今すぐ企業が取り組むべきこと
hiro
先生、ありがとうございました。今のお話はここにいらっしゃるすべての人が見過ごしてはいけない話で、一人ひとりに共通するところです。当事者として、そして我々のこれからの未来について、大変考えさせられる内容でした。先生のポジティブに技術を磨いて見せる、示すという姿勢に、非常に感動と感銘を受けました。このまま続きまして、パネルディスカッションに入っていきたいと思います。先生、企業の経営者や企業経営をこれから担う方々が少なからず、須磨先生のところに来られると思うのですが、そういう方々の特徴などがありますか?
須磨先生
まず年齢層からすると会社では要職についていて、今あんたがいなくなったら困るという人がほとんどです。40代後半から60代で、しかもどっちかというと、奥さんの言うことを全然聞かずにやりたい放題という人が多い(笑)。
hiro
八木さん、大丈夫ですか(笑)?
須磨先生
要職に就いていて自分の身体をまったくケアしない人には二通りのタイプがあります。一つは、責任が重くて必死に頑張っていて、自分のことを構っていられない人。もう一つは思い通りになるものだから仕事が面白くてしょうがない。仕事に夢中になりすぎて自分のケアを忘れる人。
八木
先生、こういうリスクのある人たちの数とか率は、傾向的に見て増えているのか、減っているのか。先生の感覚はいかがですか?
須磨先生
減っていることはまずないです。ただ、いわゆる厚労省のメタボ対策のアナウンスなどが割と効いていて、加速度的に増えているわけではないと思います。会社の上の方のクラスの人には、メタボでこのまま放っておいたら危険だなぁていう人はやっぱりいます。
八木
責任感が強い、あるいは、責任が重たい人のほうが、問題が起こりやすいと聞いたのですが、例えば責任の重さやストレスが、心臓の疾患に影響することは、どの程度あるんでしょう。
須磨先生
もちろんストレスが多いと動脈硬化が非常に加速されます。いろんなホルモンが出て、アドレナリンとかそういうのが出て、ものすごく動脈硬化にとっては悪い方向に働きます。だけど、ストレスフリーなんてこの世で生きていてあり得ないから。
hiro
ないですよね。
須磨先生
だから、ハッキリ言って病気にはなるもんだと思ったほうがいい。どうせなるんだったら、早めに見つけてサッサと治したほうがいいわけです。やっぱり自分の身体を定期的にチェックしてケアするという、これは自分の意思でできることでしょ?分かりやすく言えば、自分の身体をケアできない人、自分を守れない人がどうやって家族を守るのか、会社を守るのか。そんな要職に就いている人がそれでいいのかっていうことです。
八木
経営をやってきた感覚から言うと、ストレスはむしろこれから増えていくと思うんです。特にリーダーと言われる人たちは、これまで以上に大変な役割を担わざるを得ない。だからこそ、やっぱり早めにチェックにいかないと。先ほどおっしゃったような要職にある人に限ってリスクが非常に高いし、本人が必ずしも気づかない。そこを人事や経営者といった社員の健康に留意しなきゃいけない人たちこそが、喚起していく必要性をすごく感じます。
須磨先生
おっしゃる通りです。自己責任だからちゃんとやれって言ったって、これはなかなかできないんです。特に責任が重すぎてそっちのことばかり考えている人と、或いは仕事が面白くて舞い上がっている人に、ちゃんとやれって言ってもできない。良い会社っていうのは、そんなもんだということを前提にして、守ってやらないと駄目だ、きちんとアドバイス、サポートしてやらないと駄目だっていう、システム化してしまうことが僕はとても大事だと思います。