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新たな戦略で、新たな成果を実現する

メーカーC社
自分たちの手で、新しい目標と働き方を模索し、実現する組織は強い」
「トップの粘り強いハンズオンの姿勢がチェンジ・リーダーを後押しする」


■統合・合併の後に残されていた課題
C社が属する業界は、今も最も国際競争が激しく、欧州・アジアに限らず世界中の各地で、統合・合併が繰り返されており、 C社もこうした流れのなかで、数年前に大きなグループの系列に入った。
C社が扱う商品は他の競合と比較しても遜色なく、国内規模でも決して小さいほうではない。その一方で肝心の営業力に 課題があり、その年も、目標に到達するには、前年対比1.5倍という水準をクリアしなくてはならない状況にあった。
その営業部門は、顧客からのアンケート結果からは、同社は他競合と比較し、営業職はプロ意識や受注に対する姿勢に欠け、 相手合わせの仕事をしていて、魅力的ではない・・・という評価が目立っていた。
 
新たなリーダーとなった営業部門長はこうした状況を冷静に見つめながらも、その要因をいくつか分析していた。
・もともと合併・統合前は、「勘・経験・度胸」に頼った営業を組織として行ってきたため、求められるビヘイビアもない
・かつての上層部がトレーニングは商品知識で十分という認識であったためで、結果として、営業職の意識を高める仕掛けはこれまで何もしてこなかった
・さらに、現場を統率する課長職のリーダーシップとマネジメントも弱い
・また営業所を置かないオフィス環境も、営業職同士のヨコのつながり不足を促進し、上司のフォローも不十分になることが十分に想定できた
とても、今ままでは、目標数値をクリアするのは難しい・・・。ここから、プロジェクトがスタートした。


■成果を上げている営業職を日常業務から外し、特命チームとする
私たちと営業部門長は早速、プロジェクトの設計と目標設定を協働し始めた。
・勝ちにこだわる姿勢を徹底させ、CSを高める(結果、売上、シェアも高まる)
・グローバルと比較して、極端に低い組織文化サーベイの数値を高めたい
この2つの目標から設計されたのが、成果を上げている営業職のコンピテンシーをまとめ上げ、階層ごと にセッションを自分たちの手で行い、ビヘイビアの理解・浸透を図っていく、というものであった。 後々、「自分たちの手」でというところが大きな意味を持つことになる。
具体的にセッションを実施するメンバーは、成果を上げている営業職たちとし、彼らを営業部門長は 専属のメンバーとして、日常業務から引っこ抜いてしまう決断をした。
つまり、短期的な売上に目を瞑る覚悟のもとだった。
このチームは後にタイガーチームと名付けられた。


■「どうせ…」文化をトップとタイガーチームが上書きし、スモールウィンが起こる
プロジェクトはスタートしたが、別の課題が出現する。ビヘイビアは国際的な統一すべきであるとする意見と 各ローカルでオリジナルを持つべきであるとする意見が、経営上層部にあったことである。このことが現場で のプロジェクトに一時的に混乱を生じさせる。私たちはここの調整にも時間を割くこととなった。
その後、オリジナルのビヘイビアで進むことが決まり、プロジェクトは進んでいく。しかし、当初現場の反応 は思いのほか、鈍いものがあった。
原因は、ここ数年打ち出されてきた各種の施策は、「朝礼暮改」のように施策の効果性を検証する前に、 次の施策がトップダウンで行われるというサイクルの結果、
「どうせ、やっても方針は変わるし・・・」
といったどこか冷めてしまった空気があったからだった。
タイガーチームはトップセールスを誇る課長層から抜擢されたチームであり、優秀な(成果を出している) 営業職の態度・行動を抽出整理して、オリジナルの体系を作り上げ、さらに社内に点在していた、似たような コンピテンシー的体系を統合し、短時間でひとつの共通した体系にまとめあげた。
あとはどう浸透させ、実行してもらうかという段階であった。
体系されたビヘイビアがある地域で試験的に導入された。結果、ある程度の効果と改善点が認められ、ここから、 「自分たちもできるかも知れない、やってみよう」と、全社導入に一気に流れが傾いていった。 この変化は、自分たちの社内の手で創り上げたものを、自分たちの同僚が使って結果を出したことが大きかった のだろう。もし、外部の専門家がビヘイビアを創り上げ、外部の人間がセッションを開催し、導入していたら ・・・恐らくこうはならなかっただろう。


■全社展開と定着への粘り
新しい行動や文化が定着するのはそう容易くない。そのことを一番わかっていたのは営業部門長だろう。 この頃の彼にはこんなエピソードが残されている。
部門長は徹底的に部長層のオーナーシップを求めた。
「こんなIWNCのロゴが入った資料なんて見せるな。彼らに作らせただけだろ。お前らは何をしたんだ? 今後は、お前らが自分で作った資料を自分の言葉で報告するものしか聞きたくない」
「浸透セッションというイベントは終わった。結果は変わってない。部長であるあなたたちは何をすべき? 明日までに徹底した原因分析と対策案をもってきなさい」
「ビヘイビアは結果を出すためのもの。結果が出ることに固執しないなら、 ビヘイビアを変えなくてよかった。何のためにやってきたの?」
彼は、顧客から受注に対する姿勢が見えない、つまり勝ちへのこだわりを、現場を率いる部長層の コミットメントが重要と認識していったのだ。


■短期間で「働き方」を変えるのに必要なこと
定量的にはCSからの評価のポジティブな変化と「勝ち」にこだわる組織文化の定着がサーベイ 結果から見えた。定性的なものとしては、プロジェクトを実行した結果、課長層にマネジメント スキルに加え、ファシリテーション・リーダーシップという新しいものが身についたことが大きく、 上司によるフォローアップが以前と比べるべくもなく、徹底された。
短期間で「働き方」を変えるために必要なこと。
自分たちの手で考え、創り、実行する。そして、トップのあきらめないハンズオンの姿勢が必要である ことを改めて、教えてくれる事例である。